ハノーファーを拠点とするDING3000はCarsten Schelling(カースティン・シェリング)、Sven Rudolph(スヴェン・ルドルフ)、Ralf Webermann(ラルフ・ヴェーバーマン)によるデザインスタジオです。大学の同期でもある三人は、Vogt&Weizenegger(フォーグト・アンド・ヴァイツェネッガー)やMarcel Wanders(マルセル・ヴァンダース)などの有名デザイン事務所で経験を積み、2005年からはこの少数精鋭のスタジオで家具、照明、インテリアなどをデザインしています。
DING3000を有名にしたのは2005年の『Pimp my Billy』でしょう。世界中で4千万個も売れたIKEAの本棚、Billy。ドイツの、特に若者や学生の部屋に行けば必ずと言っても良いほど見つかるこの本棚を、DING3000は三つの視点から拡張しました。『モノ』に潜在する役割や機能、そしてそれを使う人間の動機や動作に対する深い考察を伺わせながらも、どこか愛嬌を失わない彼らの作品は、ドイツ国内外合わせて30以上の賞を受賞。その中には国際的デザインアワードの最高峰でもあるGerman Design Award、iF Design Award、Red Dot Design Award、Design Plus powered by Light+Building、また日本のGood Design Awardなども含まれています。多数の美術館や博物館でもコレクション入りし、上海万博のドイツパビリオンでも紹介されるなど、現代ドイツを代表するデザイナー集団であると言っても過言ではありません。